韓国は日本以上に出生率が低いとのニュースを耳にしたことのある方も多いと思います。
今回は人口の絶壁とまで言われている韓国の少子化についてお伝えしたいと思います。
コチラの記事もあわせて読むとより理解が深まります。⇓ ⇓ ⇓
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韓国の少子化について簡単に説明(韓国統計庁資料より)
韓国は世界的に見て出産率の低さがぶっち切りの1位なんです。
去年(2023年)の出生率のだいたいこれくらいだろうという統計資料が今年(2024年)の2月に発表されたのですが、それによると出生率の世界最低記録を更新していました。
数字で表すと以下の通りです。
〇合計特殊出産率(出産可能と考えられる15‐49歳までの女性の出生率/よく言われる出生率のこと)
日本:1.20くらい
韓国:0.72
〇出生率(人口1,000人当たりの出生児数)
日本:6くらい
韓国:4.5人
去年の合計特殊出生率(いわゆる出生率)が0.78で「衝撃!」と言われていたのに、今年はそれを0.06も下回りました。8年連続で低下しています。
この数字だけでも、少子化が深刻と言われている日本よりひど過ぎすことが分かります。
あまりにも深刻過ぎて、韓国では『人口絶壁(인구절벽/イングジョルビョグ)』という言葉が使われています。
※その他、韓国の少子化について詳細データ・グラフや表を見たい方は韓国統計庁の資料を翻訳してご確認ください。
韓国の少子化の理由
韓国の統計庁によると、コロナのために婚姻件数が減少したことを理由の一つにあげていますが、結婚後も出産しないカップルの割合も増えてきているそうです。
私が韓国人と付き合っていく中で聞いた少子化に繋がる話と、韓国に住んで感じたことを伝えしていきます。
※新しい情報が入ったら随時更新していきます。
①教育費がかかりすぎる
韓国はとにかく教育に力を入れています。なので、塾の費用が半端なく高いです。それでも親たちは通わせるんです。「塾に行かないと落ちこぼれる」と信じて。
小4息子の友達で塾に10個通っている子がいますが、帰宅時間が9時を過ぎることもあるようです。
知り合いの高校生は、夜中の12時頃に塾から帰宅していました。塾は国語・算数・英語に通うだけで一か月100万ウォン位は普通だそうです(地域差はあると思いますが)。
これで子供が2人居たら、毎月200万ウォンが必要になります。(1万ウォン≒1122円/2024年3月現在)
1人は何とか頑張れていても、2人で200万ウォンを20年近く頑張れますか?先が見えない・・・
たまに子供を塾に通わせない方もいらっしゃいますが、本当に稀です。韓国は塾に行くのが当然という雰囲気なので。
余談ですが、塾では必要なことを学んでいるのかと思いきや、小学生なのに中学生・高校生の数学を習ったり、優秀な子だと、小学生で大学生の内容を勉強しています。
でも、算数のテストをすると点数がとれない子達も結構いるんです。こうなると、子供にとっては塾はただ行かされているだけで拷問の域ですよね。。
親も稼ぐのに一生懸命で、子供の内外共の現状を理解する時間や心の余裕がないのかもしれません。
②結婚したくない小学生
小4息子の情報ですが、学校の友達たちのほとんどが結婚をしたくない、1人で居たいと言うそうです。小学生が何故???
「めんどう」らしいです。「何がめんどうなんだ?」と思ったのですが、どうやら結婚したら子供が出来るかもしれない、そしたら自分の親がしているように、子供を塾に通わせるために稼ぎ続けないといといけない。。。
女性であっても同じです。結婚して旦那さんの稼ぎがよほど良くない限り、毎月100万ウォンの塾代を稼ぐために共働きしないといけません。希望のないサイクルが続いていく・・・
きっと親の姿を見て感じている正直な気持ちだと思うのですが、ちょっと悲しいですね。韓国の小学生は疲れています。
③結婚できない理由・しない理由
これは韓国人のママ達が話していたことです。
結婚しようと思い相手の実家にあいさつに行くと、子供の結婚を反対する親がいるらしいです。
「うちの娘と結婚するのはもっと高学歴じゃないとダメ!」とか、「年収が〇〇ウォン以上じゃないと結婚させない」とか。
自分の子供が高学歴高収入の相手に見合うだけの人物なのかは考えないようです。
そもそも、そんなハイスペックな人は少数ないので、お互いにそればかり求めたら余る人たちが大多数。。。
そうやって学歴や収入ですべてを判断されるので、面倒だから結婚したくないという若者が多いそうです。
④不動産が高すぎて家を買えないから結婚しない
これは韓国のテレビで話していたと記憶しています。
土地や家の価格は地域等によって違いがあるので、私の住んでいる地域の話しをします。私が住んでいるのはすごい都会ではありませんが、田舎でもなく、工場の沢山ある地域なので人口の多い場所です。
①築30年位の30坪くらいの再開発計画ありのマンションが5億ウォン:3LDK、トイレ・シャワー2個(1万ウォン≒1122円/2024年3月現在)
再開発と言って、古い5階建てのマンションを全部壊して新しく高層マンションに建て替える計画があるので、新しくなったら数十億に価値が跳ね上がるからそんな高値がついているらしいです。新築マンションを買おうとすると、いくら必要なんだろう???新婚で家を購入したら、いきなり借金地獄からの新婚生活出発→子供は無理。。。
この広さを賃貸で借りる→80万ウォン以上/月
②築30年位の22坪の再開発計画なしのマンションが2億ウォン弱:2DK、トイレ・シャワー1個
これを賃貸で借りると→60万ウォン位/月
※賃貸だと東京よりは安いですが、買うとなるととにかく高いので、郊外に引っ越す人もいます。
⑤韓国と日本で子育てしての私の所感
塾のための金銭苦
韓国の少子化問題は、ただ単純な金銭面の問題ではなく、根深くある高学歴思想による塾通いのための金銭問題です。
韓国には学歴が一番大事で、その競争に勝つために幼稚園から習い事をさせるのが当たり前となっている社会風潮があります。習い事をさせるから金銭的に大変。
それなら習い事させなければ良いじゃん、と思うかもしれませんが、そう簡単なものではありません。だって、試験に学校では教えない内容が出るんです。これは禁止にはなりましたが、またいつ変わるか分からない決まりごとのために塾に通わざるを得ない。
日本で子育てをしてから韓国に行くと、これにすごい違和感を感じるし、正直おかしいと思うのですが、韓国で育っていると幼少期から習い事をすることが当たり前なんです。
妊娠したら先の苦労が見えるから落ち込む
私の知り合い(韓国人)は、欲しくなかったのに2人目を妊娠してしまい、ものすごく落ち込んでいました。出産した今となっては生んで良かったと言っていますが、私の実感としては「二人目はいらない」と拒絶するように言う人の割合がかなり多いです。理由は「金銭面」。中には「子育てが大変だから」という人もいますが、それを突っ込んで聞くと、「子供の教育が大変だから(お金がかかる)」という場合もあります。
日本でも金銭的に大変な家庭でも2人居る家庭はたくさんあります。日本はそれでも何とかなるんです。「そんなことない」と思う方もいらっしゃると思いますが、でも、韓国の競争社会よりはましです。日本の学校は塾に行かなくても、それなりにちゃんと勉強を教えてくれます。韓国は先生によってはすごい適当。あり得ないくらい適当。そんな感じなので、勉強の苦手な子は塾に行かざるを得ません。
学歴至上主義
本当に学歴で人の上下を判断する人達があちこちにいるんですよ。信じられないかもしれませんが、特に学歴の高い人たちは特にそういう傾向が強い気がします。競争社会で良い大学に行ったから勝ち組ということが自分の価値になっているんですね。目の前の人が学歴が自分より高いと分かった瞬間、態度が変わるんです。もうびっくりです( ゚Д゚)それが人を判断する基準なのか・・・と。これはひどいパターンだし、韓国人みんながそうではないのですが、でもそういう基準が韓国に根付いているのは事実です。
つまり・・・
ぶっちぎりの出産率低下にはやはり理由があります。その理由が私の感じている高学歴を求めることから来る金銭苦以外にもあるとは思いますが、金銭面の支援だったら、かなりの金額の支援でないと、なかなか子供を作ろうとはならない気がします。だって、塾にかける費用が高すぎる。
少子化対策
韓国政府も大金をつぎ込んで色々やっているようですが、これまで決定的な解決になるものはないです。失敗とまで言われています。
学校の給食費無料や必需品の無料配布もその一環だと思いますが、いまいちパンチがないですよね。
私の韓国人の知り合いが言っていたのが「子供一人育てるのにいくらかかると思ってるのよ」。特に塾のお金。。。
そんな中、民間企業が出産奨励金として、子供一人に1億ウォンを支給することを決め、既に70億ウォン支給済とのことです。(2024年3月)
この企業の会長は、同級生には5千万ウォン、故郷の村の人たちには1億ウォンずつ配っています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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おわりに
塾の費用の心配さえなければ、韓国は日本より公共料金が破格に安いし、車の維持費も安いし、色んな福祉があるし、余裕で生活できると思うんですけどね。
塾通いが中心になって、家庭てで得られる喜びや、家族ワイワイ楽しくすごすこととか、そういう楽しい感覚を味わっていないと、「自分も将来結婚して家庭を持ちたい!」とは思えない気がするのですが・・・どうなのでしょう??
幼稚園から勉強させられ、ストレスばかり受けて来た子供たちが、楽しい幸せな家庭のイメージをするってかなり難しいのではないかと私は思います。自分が親になったら、また同じことを子供にする。それは親にとっても子供にとっても「めんどう」な事だろうなって・・・それなら一人でいるほうが気楽だし良いですよね。
小学生のも子供なりに色々感じて現実を見ていますね。
1億ウォンの支給も後々は国の発展に繋がることだと思うので、国が主導してやったら良いかと思うのですが、なかなか勇気のいる決断ですよね。一人1億ウォンはどこから捻出するのか…
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